• TEL: (0823)25-5015
  • 助成金情報・人事労務に関する情報を社会保険労務士が徹底解説

 就業規則は会社のルールを定めるとともに、個々の労働者との労働契約の総枠に位置付けられるものです。そのため、就業規則の定め方次第で個別の労働契約が左右されることがあります。賃金や休日といった項目は、労働契約の中でも重要な要素となりますので、設定の仕方は、慎重に検討したいところです。

休日に関する規定例

第○条(休日)
1 会社の休日は、次のとおりとする。
 ① 土曜日
 ② 日曜日
 ③ 国民の祝日に関する法律に定められた休日
 ④ 年末年始(12月29日から翌年1月3日)
 ⑤ その他会社が休日と定めた日
2 前項の休日のうち、法定休日を上回る休日は所定休日とする。

週休制の原則と休日

 労基法35条1項は、使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとし、週休制の原則が定められています。

 ここでいう「休日」とは、労働者が労働契約に基づく労務提供義務を負わない日をいいます。「休暇」とは、そもそも労務提供義務がある日を一定の手続きを経て、労務提供義務が免除された日のことです。そして、休日は、単に連続24時間の休業ではなく、暦日を指し、午前0時から午後12時までである必要があります。休日の位置、すなわち、休日を1週間のうちのどの日にするかには、法律は特に義務づけを行っていませんので、労働契約において自由に決定することが可能です。

 このように労基法35条に基づく休日を「法定休日」といい、法定休日のほかに労働契約上定める休日を「所定休日」といいます。

規定例2項の解説

 規定例の第2項は、法定休日を特定しないことを明らかにするための規定です。

 そもそも、労基法35条1項は、文言上法定休日の特定を義務づけるものではありませんんので、絶対的必要記載事項を定める労基法89条1号も、単に「休日に関する事項」とするのみであり、法律上は休日の特定は必要でないと解されます。

 この点、行政通達によれば、「法35条は必ずしも休日を特定すべきことを要求していないが、特定することがまた法の趣旨に沿うものであるから就業規則の中で単に1週につき1日といっただけではなく、具体的に一定の日を休日と定める方法を規定するよう指導されたい」とされています。

 法定休日を特定した場合、当該休日に労働させた場合、仮に同一週内に所定休日を取得していたとしても、法定休日労働には法律上0.35の休日割増賃金の支払が必要となります。

振替休日による時間外労働を回避するための起算日の設定の仕方

 振替休日による時間外労働を回避するために1週間の起算日を設定することが考えられます。その場合、規定例1項では、次のように定めます。

会社の休日は次のとおりとし、1週間の起算日は土曜日とする。

 休日の振替と時間外労働について、就業規則に定める休日の振替規定により休日を振り替える場合、当該給仕通は労働日となりますので、休日労働にはなりません。

 しかし、休日を振り替えたことにより、当該週の労働時間が1週間の法定労働時間(原則40時間以内)を超えるときは、その超えた時間については時間外労働となり、時間外労働に関する36協定および割増賃金の支払が必要となります。

 この点について、1週間の起算日の設定の仕方によっては、振替休日による時間外労働を一部回避することができます。例えば、一般的な週給2日制を採用し、土曜日と日曜日を休日としている場合、1週間の起算日を土曜日に設定することで一定程度の対応が可能となります。すなわち、行政通達によれば、就業規則その他に別段の定めがない限り、1週間とは日曜日から土曜日のいわゆる歴週をいうとされているため、特段終業規則上に起算日の定めがない場合の週の起算日は日曜日となり、土曜日が週の最終日となるため、土曜日に労働させた場合、当該土曜日の属する週に振替休日を指定することは困難です。

 しかし、就業規則に土曜日を1週間の起算日とすることを明記しておけば、次の週の金曜日までのいずれかの日に振替休日を指定しさえすれば、週の労働時間を40時間以内に収めることが可能となるからです(なお、当該週に祭日や休暇があり、週労働時間が40時間以内に収まっていれば特段休日を振り替えなくとも法定時間外労働は発生しません。)

まとめ

 就業規則の設定の仕方次第で、割増賃金の支払等が発生する可能性もあります。各会社の現状と実情を踏まえた上で、検討することをおすすめします。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です