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 時間外労働に対する、割増賃金の計算ですが、正しく計算されていますか。割増賃金は、時間外労働、休日労働、深夜労働に対して、それぞれ2割5分からの率で計算されます。では、割増賃金の計算と基礎となる賃金は正しく算入されていますか?

割増賃金の計算の基礎から除外できる賃金

 割合賃金の計算の基礎となる賃金から除外できるのは、次のものです。

家族手当
通勤手当
別居手当
子女教育手当
臨時に支払われた賃金
一ヶ月を超える期間頃に支払われる賃金
住宅手当(住宅に要する費用に応じて算定される手当に限る)

 この①から⑦以外の賃金は、割増賃金の計算の基礎に含めなければなりません。

臨時に支払われた賃金とは?

 上記⑤の「臨時に支払われた賃金」とは、「臨時的、突発的事由にもとづいて支払われたもの、および結婚手当等支給条件はあらかじめ確定されているが、支給事由の発生が不確定であり、かつ非常に希に発生するものをいうこと。名称の如何に関わらず、右に該当しないものは、臨時に支払われた賃金とはみなされないこと」という行政通達があります。この通達を前提とすると、毎月、支給されるかどうかは出勤状況によるというような皆勤手当のような賃金の場合、毎月欠勤することなく、通常の出勤をすれば支払われることとなる皆勤手当は、臨時に支払われた賃金には該当しないと考えられます。

生活補助手当や住宅手当は算定の基礎から除外できるか?

 割増賃金の計算の基礎から除外できるものは先ほどの①から⑦までです。ただ、賃金や手当の名称は各会社ごとで異なります。そのため除外できる賃金に該当するか否かは、単に名称によって決まるものではなく、その支給条件等の実態がこの除外賃金と同様であるかどうかによって判断されることになります。

 たとえば、生活補助手当や住宅手当が、家族数に応じて定められているような場合、労基法はこれを家族手当と同じく割合賃金の基礎から除外しても問題はありませんが、そうでない場合は類似の性格があるというだけで除外することはできません。家族手当とは、扶養家族数またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当をいうものとされています。

ガソリン代の補給費は通勤手当になるか?

 割増賃金の計算の基礎から除外できる通勤手当とは、労働者の通勤距離または通勤に要する実際費用に応じて算定される手当と解されており、例えば通勤手当は原則として実際距離に応じて算定するが、一定額までは距離にかかわらず一律に支給するような場合は、基礎に算入しなければならないとされています。

 マイカー通勤者のガソリン代補給費が実際の通勤距離や実際費用に応じて計算されるもの(例えば、通勤距離何Kmにつき何円というような定め)であれば、通勤手当として評価することができるでしょう。(ただし、一定額の保障ののような部分があれば、その金額は基礎に含めることになります。)

 これに対して、毎月一定額の手当が通勤距離等に関係なく、支給される場合には、除外してもよい通勤手当とは認められず、基礎に含めなければなりません。

 しかし、たとえばマイカー通勤者にも実際に公共交通機関を利用した場合の運賃相当額を基準に支給するということであれば、賃金の名称がガソリン代補給費となっていても、除外できる通勤手当として取り扱って差し支えないものと考えられます。

まとめ

 各会社ごとに、様々な手当や賃金の名称があります。一つ一つについてヒアリングしてみないと、どういった性格の賃金なのか不明というものが大変多くあります。正しく給与計算を行うためにも、この割増賃金の計算の基礎から除外できる賃金とそうでない賃金を正しく理解しておく必要があります。


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