• TEL: (0823)25-5015
  • 助成金情報・人事労務に関する情報を社会保険労務士が徹底解説

 給料(賃金)は、すべての労働者にとって重要なものです。賃金は、労働者本人よる既往の労働に対する報酬であり、そのすべては本人に帰属します。また、賃金は通常の場合、労働者の生活のための者であるため、労働基準法では労働者本人に完全にかつ確実に渡るよう、5つの原則が定められています。

通貨払の原則

 賃金は、通貨で支払わなければなりません。受領後に換価する必要がなく、かつ減耗するリスクを持たない通貨での支払いを強制する趣旨です。ただし、公益上の必要がある場合、または労働者に不利益になるおそれが少ない場合には、例外を認めることが労使双方の利益に合致することがあります。そこで退職手当の支払いには、銀行振出小切手等の利用が可能ですし、法令または労働協約に定める場合には、実物給付による賃金の支払いが可能とされています。

直接払いの原則

 賃金は、直接労働者本人に支払わなければなりません。労働者の賃金の中間搾取されないことを目的とする規定です。労基法59条あるいは民法の委任代理の規定の特例に位置付けられています。したがって、労働者本人から託された委任状を持参した場合(代理人)dめお、本人以外の者に対する支払いは本原則に違反し無効となります。ただし税金滞納による差押処分、民事執行法に基づき裁判所が行う差し押さえに従い、それぞれ行政官庁、差押債権者に対し、差し押さえられた賃金を納付することは本条には抵触しません。また派遣労働者の賃金についても、派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元から賃金を手渡すことだけであれば、本条には違反しません。

全額払いの原則

 賃金は、労働者に対しその全額を支払わなければなりません。すでに労働が行われ、その分も賃金支払日がきた賃金について、その一部を差し引いて支払うようなことは許されません。事実行為による控除のほか、法律行為(一方的な意思表示による相殺)も許されません。

毎月1回以上支払いの原則 

 賃金は、毎月1回以上支払わなければなりません。たとえ労働者の同意に基づき年俸制を採用しても、半年分等をまとめて先払いするといった場合であればともかく、四半期ごとにまとめて支払うやり方などは本原則に抵触します。つまり前払いされていない賃金は最低、月に1回支払いを行わないと労基法違反となります。

一定期日払いの原則

 賃金は、毎月一定の期日に支払わなければなりません。つまり賃金支払期日が特定されるとともに、その期日は週規定に到来するものでなければなりません。しかし、このような特定がされたうえであれば、月例給の全部ないし一部を繰り上げて支払うことは、それが恒常的なものでなければ本原則違反とはなりません。逆に賃金支払が遅れると本原則に抵触することになります。

賃金の非常時払い

 上記賃金支払いの5原則とは違い、労働者の生活が一定の事由により危ぶまれる事態(非常時)となった場合に配慮した規定もあります(労基法25条)

 労働者が、本人またはその収入によって生計を維持する者の出産、疾病、災害等の非常時に費用に充てるために賃金を請求する場合、給与支給日前であっても、使用者は既往の労働に対する賃金を支払わなければなりません。これは賞与についても支給額等が確定していれば適用されます。なお、この規定は既に労働が行われている部分に関しての規定ですので、まだ労働が行われていない部分について(前借り)については適用されません。

【賃金の非常時払いの事由】
①疾病、災害
 業務上の疾病、負傷であるか、いわゆる私傷病であるかを問わない
②結婚し、または死亡した場合
③やむを得ない事情により1週間以上にわたって帰郷する場合

まとめ

 賃金支払い5原則が守られることが、使用者と労働者の信頼関係でもあります。労働基準法は,アルバイトなどの学生にも適用されますので、正しい知識を持っておく必要があります。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です