「事業の目標は、事業の存続と繁栄に直接かつ重大な影響を与えるすべての領域において必要である。すべての領域とは、マネジメントの意思決定の対象として考慮にいれるべきすべての領域である。 実にそれらの領域における目標が、事業の内容を具体的に規定する。事業が目指すべき成果とその実現に必要な手段を教える。ここにいう目標とは、次の五つのことを可能にするものでなければならない。 (1)なすべきことを明らかにする (2)なすべきことをなしたか否かを明らかにする (3)いかになすべきかを明らかにする (4)諸々の意思決定の妥当性を明らかにする (5)活動の改善の方法を明らかにする 利益の最大化という昔ながらの目標は、これら五つのことのすべてはおろか、そのいずれも満たすことができない。ゆえに目標として失格である。 |
P.F.ドラッカー 訳:上田惇生 (2006)『現代の経営(上)』ダイヤモンド社