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「利益には三つの役割がある。
 第一に、利益は事業活動の有効性と健全性を測定する。まさに利益は事業にとって究極の判定基準である。
 第二に、利益は陳腐化、更新、リスク、不確実性をカバーする。この観点から見るならば、いわゆる利益なるものは存在しないことになる。事業存続のコストが存在するだけである。こうしたコストを生み出すことは企業の責任そのものである。
 第三に、利益は、直接的には社内留保による自己金融の道を開き、間接的には事業に適した形での外部資金の導入誘因となることによって、事業のイノベーションと拡大に必要な資金の調達を確実にする。

 これら三つの機能のいずれも、経済学者のいう利益の最大化とは何ら関係がない。これら三つのいずれの機能も、最大ではなく最小に関わる概念である。事業の存続と繁栄にとって必要な利益の最小限度に関わる概念である。したがって利益に関わる目標は、事業があげうる最大の利益ではなく、事業があげなければならない最小限の利益を明らかにするものであることが必要である。」

P.F.ドラッカー 訳:上田惇生 (2006)『現代の経営(上)』ダイヤモンド社 

 利益をとることが悪いような風潮で言われることもありますが、利益は、会社が提供する価値の結果であり、価値がなければ当然、人は買いません。業態によって利益率は異なりますが、適正な価格で販売されていなければ、競争相手に勝てず、商品が売れることもありませんので、一時的に利益が出ても、それは長く続くことはありません。利益がなければ当然に事業を運営していくことはできません。ただし、利益のみを追い求めると、何のための・誰のための商品(サービス)か、分からなくなります。三方良しという、近江商人の考えは、世界に通じる考えだと感じます。