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「事業が成長の足固めに失敗し、倒産しないまでも縮小していく最大の原因は、もはや社長が行うできでない意思決定をいつまでも社長自らが行っていることにある。このことは決して偶然ではない。」

P.F.ドラッカー 訳:上田惇生 (2006)『現代の経営(下)』ダイヤモンド社 

 「任せる」ということが必要となってきます。日本では松下幸之助さんなどが言葉を残しておられます。 松下幸之助さんは、従業員に仕事を与えるとき、その長所を見、仮に経験、実績がなくても、潜在能力を信頼して大胆に仕事を任せてきた、そのために多くの人が育った。これには松下幸之助が病弱で、個人経営の時代から人に仕事を任せざるを得なかったという事情も影響しているように思われます。
 仕事は任す、しかし任せっ放しではいけない。適時適切に報告を聞き、事と次第によっては的確な指導、助言を与えなければならない。それが責任者の務めである。事実、松下幸之助さんは病床に部下を呼び、報告を聞き指示を与えることも少なくなかったといいます。任せて任せず、これが松下幸之助流の仕事の与え方であり、人の育て方であったと思います。

 社員数が10人を超えてきますと、社長の意思や思いも、社員にはダイレクトには伝わりにくくなってきます。社員が一人二人と増えていくにしたがって、任せていくということも覚えていき、そして育成していかなければ、その事業の継続は難しくなっていきます。なぜなら、規模が拡大するということは業務量が増え、また従来であれば必要のなかった規模のリスクが増えることになるからです。そのため、量をこなす、リスクを低減する、現在の機会をより積極的に活かすために、段階的に意思決定を任せていくことが必要となっていきます。