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 「成果をあげるには、近頃の意味でのリーダーである必要はない。ハリー・トルーマン大統領にはカリスマ性のかけらもなかった。それでいながら史上最高の大統領の一人だった。私がこれまでの65年間コンサルタントとして出会ったCEO(最高経営責任者)のほとんどが、いわゆるリーダータイプでない人だった。性格、姿勢、価値観、強み、弱みのすべてが千差万別だった。外交的な人から内向的な人、頭の柔らかな人から硬い人、大まかな人から細かな人までいろいろだった。
 彼らが成果をあげたのは8つのことを習慣化していたからだった。

(1)なされるべきことを考える
(2)組織のことを考える
(3)アクションプランを作る
(4)意思決定を行う
(5)コミュニケーションを行う
(6)機会に焦点を合わせる
(7)会議の生産性をあげる
(8)「私は」ではなく「われわれ」を考える

P.F.ドラッカー 訳:上田惇生 (2006)『経営者の条件』ダイヤモンド社

 第一の条件としては、「なされるべきことを考える」。やりたいことを、でききそうなことを考えるのではなく、何をなすべきかを考えることです。

そして組織のことを考える。これは組織として何をなすべきか、組織のミッションは何かを考えることになります。

さらにそれを具体的な行動計画に落とし込み必要があります。いつまでに、何をだれが、といった形で計画に落としこまなければ、すべて成り行き任せとなります。またアクションプランは作るだけでなく、途中でチェックすることも必要です。そのチェックの結果、軌道修正が必要であれば修正を行う。そして組織がミッションに向けて進んでいるか、成り行きに任せるのではなく、プランに基づいて行っていく必要があります。

アクションプランは実際に行動に移さなければなりません・単なる絵にかいた餅で終わられることなく、行動に移す必要があります。

 そのためには、意思決定、コミュニケーション、機会、会議の4つのことを考える必要があると、ドラッカーはいいます。

 意思決定においては、①実行の責任者、②日程、③影響を受けるがゆえに決定の内容を知らされ、理解し、納得すべき人、④影響を受けなくとも決定の内容を知らされるべき人。この4つを決める必要があります。

 組織としての意思決定は、トップのみが行っているのではなく、スペシャリストから現場の経営管理者まであらゆるレベルで行われています。

 成果をあげるためには、アクションプランを理解してもらわなければなりません。情報の一方通行ではなく、伝えると同時に、自分がいかなる情報を必要としているかも、理解してもらう必要があります。

 問題ではなく、機会に焦点を合わせます。問題をほおっておくということではなく、問題解決は、損害を防ぐのみで、成果は機会からしか生まれません。そして何よりもまず変化を脅威としてみるのではなく、機会としてとらえる必要があります。ドラッカーは次の7つの状況を精査しなければならないといいます。

(1)自らの組織と競争相手における予期せぬ成功と予期せぬ失敗
(2)市場、プロセス、製品、サービスにおけるギャップ
(3)プロセス、製品、サービスにおけるイノベーション
(4)産業構造と市場構造における変化
(5)人口構造における変化
(6)考え方、価値観、知覚、空気、意味合いにおける変化
(7)知識と技術における変化

  成果をあげるためには、会議の生産性をあげなければ会議は懇談の場ではなく、仕事の場です。会議の生産性を上げるためには、事前に会議の目的を昭なかにする必要があります。目的が異なれば、そのための準備もその後の成果も違ってくるとドラッカーはいいます。

 最後に、「私は」ではなく「われわれは」と考えます。自らのニーズと機会ではなく、組織鵜のニーズと機会を考える必要があるからです。

以上のことを習慣化することができれば、決してカリスマ性に富んだ人物でなくても、組織としてのリーダーとして組織の成果をあげることができるようになるとドラッカーはいいます。