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 退職金(退職手当)は、就業規則等で定めた場合、「賃金」として取り扱われます。そのため支払時期を定めておく必要があります。

死亡・退職者の賃金・退職金の支払時期

 労基法23条1項は、労働者の死亡または退職の場合で権利者から請求があった場合、使用者は7日以内に賃金を支払わなければならないと定められています。しかし、退職金については、退職労働者等から請求があった場合でも、「通常の賃金の場合と異なり、あらかじめ就業規則等で定められた支払時期に支払えば足りる」とされ、実務上はそのように取り扱われています。ただし、雇用契約上支払期日の定めがない場合に、債務の履行について期限を定めなかったとき(民歩412条3項)に該当し、民事上、債務者(使用者)は、履行の請求を受けたときから遅滞の責任を負い、かつ、労基法23条により、労働者から請求があった後7日以内に支払わなければ同法違反となります。

分割払いや後ずらしは無効となる場合も!

 業績が悪化したことにより、所定の退職金の全額を支払う金銭的な余裕がなく、就業規則所定の時期までに退職金を支払うことが困難な場合、退職金を分割支給したり、支払時期を後にずらしたりする等の対応はどうでしょうか。例えば支払時期は「退職後6ヶ月以内」と定めていた場合は、合意の上で分割支給し、退職後6ヶ月以内に支払うということであれば違反とはなりません。

 しかし、労働契約法12条で「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による」と定められていますので、就業規則所定の時期を後にずらす合意をした場合(分割の場合も含む)には、就業規則を下回る合意となるため、その部分は無効となります。

まとめ

 退職手当は、制度次第では、一時的に多額の資金を要するため、退職金制度の設計は慎重に行う必要があります。また先の例のように規定の仕方次第で可否が分かれてくるケースもあります。退職金制度の設計、就業規則の作成は社会保険労務士をご活用ください。