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 給与計算上のミスによって賃金の過払いや不足が生じた場合、また従業員からの申告が遅れてた場合に過払い等が生じた場合、どのように対処すればいいでしょうか。

翌月以後の精算(行政解釈)

 過払い賃金の翌月以後の賃金からの控除による清算については、ストライキの場合に関して、次のような行政解釈が示されています。

「前月分の過払賃金を翌月分で清算する程度は賃金それ自体の計算に関するものであるから、法第24条(賃金の全額払いの原則)の違反とは認められない。」

 過払い分の賃金を翌月以降の賃金で清算することは厳密に考えると、翌月以降の賃金として本来支払うべき金額からその一部を控除することになりますので、全額払いの原則との関係が問題となります。本来であれば賃金の一部控除に関する協定による明確な根拠に基づいて行われるべきものですが、ストライキ等のやむを得ない事情によって生じた前月分の過誤払いを翌月分の賃金と清算するのであれば、仮に賃金の一部控除に関する協定がなくとも違法とはされないと考えられます。ただし、翌々月以降の賃金で清算することには、この通達では認めていませんので、注意が必要です。

多額の過誤払いとなってしまったら

 過払い分が多額に及ぶ場合は、その事実確認と併せ、本人との間で返済方法等の合意の上で行うことが必要と考えられます。

賃金の不足の場合は

 不足払いの場合は、賃金の一部の未払いとなっているわけですから、賃金の全額払いに違反していることになります。そのため可及的速やかに、事情説明の上、清算支払いを済ませるべきです。なお、その賃金の支給が従業員の届出が遅れから生じたような場合、届出を支給要件としている限りは使用者に責任は生じることはないと思われます。その場合、届出があった時点以降について支給額の変更を生じるものと定められているのではないかと思われます。

実際には、届出が行われた後は、速やかに変更するとともに、届出そのものが遅れないような仕組みの整備も行うことが適切と考えられます。