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2019年4月から働き方改革関連法が順次施行されています。長時間労働の是正や、多様な働き方による労働力の確保、労働生産性の向上などを主眼に置いたこの働き方改革関連法ですが、その中の一つに使用者には確実な勤怠管理が求められます。

勤怠管理とは

 「勤怠管理」とは、言葉通り、出退勤の時刻、休憩時間や休日休暇等を管理することで、特に難しいイメージは持たれないかもしれません。

 ですが、使用者には労働基準法によって、労働時間を適正に把握し管理する席にが課せられており、管理についての正確な理解が必要となります。

 ここでは、使用者が具体的にどのように管理すればいいのかを明確にするため、一般労働者に関する勤怠管理の基本を、厚生労働省通達の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」(平成13年4月6日基発339号)をもとに解説します。(管理監督者については異なります)

通達(基発339号)の意義

 厚生労働省は2001年4月に、賃金不払い残業や過重な長時間労働への対策として、本通達を発しました。このような問題は、その原因が労働時間の把握があいまいなことにあり、労働時間の把握を適正なものにすれば解決できるという意味合いで出されたものです。

会社がとるべき具体的な方法とは

 通達において勤怠管理の方法は、原則として使用者側が記録することをよしとしながらも、例外的に労働者側からの自己申告も可能という内容になっています。

始業・終業時刻の確認および記録

 「使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」

 使用者側が確認・記録をすることと明記してある点が重要となります。監督署の臨検や指導においても、労働者側の自己申告制をとっている場合には、その正当性について厳しく追及される傾向があります。よって、できる限り、使用者側が正確に管理するという意識を持つことが必要となります。

 勤怠管理において、1日単位で8時間、9時間などと時間数のみ記録している事業場が見受けられますが、労働時間を適正に管理するためには、始業と終業の時刻を確認・記録することがとても重要となります。始業と終業の時刻から休憩時間を除した時間数が、実労働時間となるのですし、実際の出退勤時刻が記録されていなければ、深夜労働等の管理もできなくなります。

始業・終業時刻の確認および記録の原則的な方法

 「使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること」

1)使用車が、自ら現認することにより確認し、記録すること

2)タイムカード、ICカード等の客観的に記録を基礎として確認し、記録すること。

1)では、使用者が直接、労働者の出勤・退勤時刻を実際に現認して記録するという意味合いですが、これだけですと、使用者の不正も考えられますので、通達では労働者もあわせて確認をすることが望ましいとされています。

2)は、タイムカード等による記録を根拠とした方法です。これはタイムカードであれICカードであれば、客観的に機械的に実務を記録していく方法ですので、使用者が労働者の不正が入り込む余地は少ない方法です。使用者や労働者の不正が入り込む余地の少ない方法です。よって、タイムカード等の記録が残っていれば、労働時間の事実確認において、労使で争いが起きるリスクは、だいぶ低下させるためだと思われます。

また、タイムカード等の記録以外に、残業命令書これに対する報告書等、使用者と労働者の間で交わされる労働時間に対する記録が存在する場合には、それらの記録も突合して確認することも記されています。これからの勤怠管理の実際は、この部分が非常に重要となってくると思われます。

タイムカードにおける運用上の留意点

 タイムカードは客観的六としては非常に有効ですが、労働者が出勤してから退勤するまで、本当に業務を行っていたのか、タイムカードからだけではわかりません。

 定時で業務を終えて、タイムカードを押すまでの間に同僚とおしゃべりをしていたり、ネットサーフィンをしていたりというような行為も1日30分が積み重なれば、1か月で10時間程度にもなります。これでは、時間外割増賃金の支払いや、時間外労働と見られれば、36協定等の問題も出てきます。

 そうならないようにするために、残業については、あらかじめ残業命令書もしくは残業申請書で承認されたものしか、残業として認めらないというような残業承認制を設けておくことが有効です。このような制度を適正に運用していれば、後日、残業について争われた場合に、その日は、残業申請がなされていなかったなどの主張も行うことができます。

自己申告制によって記録を行う場合

 通達においては、出退勤時刻の確認記録方法に関して、最後に労働者の自己申告制を記していますが、「行わざるを得ない」書き方からも明らかなように、推奨されているものではなく、これについては特に細かい措置が設けられています。労使紛争等が起こった場合などについても、自己申告制の場合、タイムカードに比べ、客観性に乏しく、記録証拠としては、非常に弱いものとなります。

 自己申告制の場合に講ずるべき措置は次の3点です。

1)自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと

2)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じた実態調査を実施すること

3)労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること

つまり、労働者に対して、正しい時間を記録することを説明し、それが正しく記載されていることをチェックする必要があります。また、会社側が残業時間を少なく記載させるようなことがあってはならないのは、当然で、査定に響くので、定時に退社したように記載し、サービス残業をおこなっていたとなれば、当然、会社側のリスクは高まります。また、3)については、時間外労働時間数の上限を設定すること自体が問題ではなく、その設定した時間数以上に労働時間を記載させないようにするのではなく、上限時間数を超えて労働する必要がある場合などは、業務量や業務の分担を見直すなどの改善を行う必要があります。

労働時間の記録に関する書類の保存

「労働時間の記録に関する書類について、労働基準法109条に基づき3年間保存すること」

 タイムカード等直接の管理記録のみならず、残業命令書や報告書なども保管義務があることに注意してください。また保存期間である3年の起算点は、それらの書類ごとに最後の記載がなされた日で、一番最後に記入や承認がされた日です。

労働時間を管理する者の職務

 「事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること」

 労務管理の責任者は、労働時間を適正に把握するために各種事項を正確に管理するのみならず、問題点の把握や解消を図ることまで必要であることが記載されています。会社としては、責任者を明確にしたうえで、責任者(管理者)研修を行うことなども有効です。

おすすめのクラウド勤怠管理システム

 会社は、労働者の労働時間を適正に管理しなければなりません。これは会社側の義務ですので、それは当然に行うとしても、そのこと自体に膨大な業務処理や書類が発生してしまい、総務部などが手を取られてしまい、本来業務が行われないなどの問題を解消するための勤怠管理システムが多く登場しています。

 その中で、筆者がおすすめするのは、「King Of Time」というクラウド勤怠管理システムです。このシステムでは安価で月額の利用料金のみで使用することができますので、小規模な会社や事業を立ち上げたばかりの会社でも導入しやすいのがポイントです。

また、複数の拠点を持つ会社でもクラウド上で管理するため、リアルタイムに労働時間の状況等を把握することが可能です。

合わせて、働き方改革関連法にも対応しており、勤務間インターバル制度や年次有給休暇の5日の取得義務化なども設定することが可能となっています。

先の残業承認制もクラウド上で行うことができ、申請のない定時以降の打刻については、アラートで注意を促すこともできます。

勤怠管理システムといえば、高額で、大規模なものをイメージされる方も多いと思いますが、このような仕組みをとれば、法律要件を満たしたうえで、自社に合わせた運用が可能となりますし、従来、手書きで記録をとっていたような会社であれば、様々な場面で業務効率を上げることが可能なうえ、バックオフィスのペーパーレス化も可能となってきます。

勤怠管理システム「キングオブタイム」公式ホームページ