• TEL: (0823)25-5015
  • 助成金情報・人事労務に関する情報を社会保険労務士が徹底解説

「休日」と「休暇」の違い

一般的には「休日」と「休暇」をあまり区別することなく、使っていることが多いのではないかと思います。「休日に家族と旅行に行く」、「久しぶりの休暇に旅行へ出掛ける」など。

労働法の関係においては、法律上の定義ではありませんが、一般的には次のように考えられています。

「休日」とは、労働契約上あらかじめその日は労働の義務のない日

「休暇」とは、所定の労働の義務のある日について一定の事由の発生等の根拠に基づき一定の手続きを経ることにより、その義務が免除されることとなる日

結果として、その日の労働義務がないことは同じでも当初からないのか、あるものが免除されたかで年間の所定労働時間の計算上は違いがあり、休日は当然その日の所定労働時間はゼロとなりますが、休暇の場合には通常の所定労働時間があるものとして計算されます。そのため、休日を増やせば割増単価が上がってきますが、休暇を増やしても単価は変わらないということになります。

単価を変えたくないということで、単に名称を休暇と用いても、その休みの実態が休日と休暇の区分のどちらに当たるかによって割増賃金の計算の基礎となる所定労働時間の判断をすることとなります。

「国民の休日」と「会社の休日」の関係

労働基準法上、「休日は週1日又は4週4日」与えなければなりません。これを上回るものは、法律上の義務を超えて、それぞれの会社の就業規則で定められるものです(会社の創立記念日など)。

国民の休日、祝日を必ずしも休日として定めなければならないわけではありません。

国民の休日とは「国民の祝日に関する法律」(1948年施行)に定められる、国民の祝日に挟まれた日が国民の祝日でない場合に適用され、挟まれた日が国民の休日となります。よく「祝祭日」という言い方で、「祝日」と「祭日」などと言います。「祭日」とはそもそも皇室を中心とする神道のお祭りの日のことで、皇室祭祀令という、皇室の祭祀(宮中祭祀)に関する法律によって祭日は定められていましたが、戦後1947年にこの法令が廃止されました。そのため現在では、法令上は「祭日」は暦の上ではなくなっていますが、昔の名残で口にする方もいらっしゃいます。四方節(しほうせつ)➡「元旦」1月1日や紀元節(きげんせつ)➡「建国記念の日」2月11日など祭日から、現在の祝日へと変わったものもあります。

話を戻します。就業規則で休日を「国民の祝日」を定めているケースがあります。この場合において先ほどの「国民の休日」は厳密には祝日ではありませんので、当然には会社の休日とはならないと考えられます。運用上、「国民の休日」を休日としないのであれば、従業員の誤解が生じないよう、あらかじめ説明をする、若しくはその違いについて明確に規定しておくのが適当と思われます。

「代休」と「振休(振替休日」の違いが分かりますか?

休日と勤務日の臨時の変更などを「代休」と呼んだり、「振休(振替休日)」と呼んだり、会社や部署によって呼び方が異なることがあります。

労働基準法上の定義ではありませんが、解釈として「振替休日」は就業規則等の根拠に基づいてあらかじめ振り替える日を特定して、休日を他の労働日と入れ替えることであり、従来の休日は労働日となり、振り替えられた労働日は休日となる結果として、4週4日の休日が確保されている限り、休日労働(3割5分の割増手当の支払いが必要)とはなりません。なお、休日振替の結果、その週の労働時間が1週間の法定労働時間(週40時間)を超えるときは、その超えた時間については時間外労働となり時間外労働に対する三六協定及び割増賃金の支払いが必要となります。

逆に「代休」はこうした就業規則等に基づく事前の休日の変更の手続きをとることなく休日労働が行われた後に、あるいは長時間残業等の代償として代わりの休日を与えるもので、この場合は行われた労働は休日労働等と評価されます。結果的には、どちらも同じ日数働き、同じ日数の休みが取れるのですが、労働基準法上の効果は明確に区分されます。その背景には、休日に労働を行う場合でも、次の休日を予定できているかという、労働者の立場に沿った考え方に基づくものではないかと思われます。

「欠勤日」と「休日」の関係

休日をあらかじめどの日とするか、労働基準法上では特定すべき義務は課されていません。行政解釈では特定することが法の趣旨に沿うものであるから、単に1週につき1日といっただけでなく、具体的に一定の日を休日と定める方法を規定するよう指導されたい(昭23.5.5基発682、昭63.3.14基発150)とされています。また屋外労働者について、行政解釈では「なるべく一定日に与え、雨天の場合には休日をその日に変更する旨を規定するよう指導されたい」(昭23.4.26基発651)としています。

「欠勤日」とは労働義務のある日について勤務を欠いたことです。そもそも労働義務のない日である休日との関係において、欠勤した日を休日とするか、という問題では、先の屋外労働者の雨天の日を休日にするという考え方と相容れないものと考えられます。

「働き方改革」における「年次有給休暇」

「年次有給休暇」ですが、これまで出てきたとおり、「労働義務があった日について一定の事由の発生等の根拠に基づき一定の手続きを経る(労働者からの請求)により労働の義務が免除される「休暇」です。

2019年4月から施行された改正労働基準法では、年次有給休暇を年10日以上付与している労働者に対して、付与された日から1年以内に年5日について時季を定めて取得させることが義務付けられました。

ただし、労働者がすでに時季を指定して取得した日数、または計画的付与制度により付与している場合は、その日数を時季指定する日数から控除することができます。会社は時季を指定するに際して、「労働者に対して時季に関する意見を聴くこと」「時季に関する労働者の意思を尊重するよう努めなければならないこと」「使用者は、各労働者の年次有給休暇の取得状況を確実に把握するため、労働者ごとに付与した時季、日数及び基準日を明らかにした年次有給休暇の管理簿を作成すること」などの措置を講ずることが求めらます。

年次有給休暇の計画的付与制度を活用するためには、まず①就業規則に定め、②労使協定の締結により年次有給休暇の付与日数のうち5日を超える部分について、全社対象、グループ対象、または個人対象で時季指定することができます(労使協定の労働基準監督署への届出は必要ありません)。

まとめ

平成28年から始めった国の「働き方改革実現会議」が今年度から施行され、国は今後も一億総活躍社会の実現に向けた働き方改革を推進していく方向だと思われます。

長時間労働の是正、柔軟な働き方がしやすい環境整備が求められ、以前に労働時間よりも短い時間で成果を上げる、生産性の向上が求められます。また人手不足、労働力人口は今後も減少していくこととなり、人材募集の場面においても休みが取得しやすい会社でないと、人が集まりにくいケースも出てくると思われます。