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労働者派遣法が改正され、2020年4月より施行されます。この度の改正では、派遣先の情報提供義務や派遣労働者の均等・均衡待遇などの不合理な待遇の禁止、労使協定の締結による派遣労働者の待遇確保などの措置が盛り込まれました。改正法の中には、就業規則に関することも盛り込まれました。

派遣労働者にかかる就業規則の作成等の手続き

派遣元事業主は、派遣労働者にかかる事項について就業規則を作成し、または変更しようとするときは、あらかじめ雇用する派遣労働者の過半数の代表者と認められる者から意見を聴くように努めなければなりません。

就業規則の作成・届出にあたっては、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない(労働基準法第90条)とされています。

この度の法改正においては、派遣元事業主が派遣労働者にかかる事項についての就業規則を作成、または変更するにあたって、労働基準法第90条で求められる事業場の労働者の過半数代表者からの意見聴取とは別に、あらかじめ雇用する派遣労働者の過半数を代表すると認められる者の意見を聴くように努めなければならないとされました。

派遣労働者の過半数を代表すると認められる者

ここでいう「過半数代表者と認められる者」については、労働基準法第90条に規定する就業規則作成・変更にあたっての過半数労働者の代表者の選任と同様の方法で定められた者と考えるべきだと思われます。

過半数代表者の選出方法

参考として、過半数代表者の選出方法ですが、①投票による選挙、②推薦、③挙手、④派遣労働者の協議などが考えられますが、いずれの方法であっても派遣労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きをとることが必要となります。過半数代表者の選出については、省令で使用者(派遣元事業主)の意向によって選出された者でないことが要件として明確に規定されています。また使用者(派遣元事業主)は、過半数代表者がその事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮をしなければなりません。

派遣労働者にかかる就業規則の作成・変更手順

派遣元事業主が派遣労働者にかかる事項についての就業規則を作成、または変更するにあたっての手順は次のような手順が考えられます。

①派遣労働者の過半数代表者を選出(方法は、上記参考)

②過半数代表者より意見聴取

・労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数代表者(義務規定)

・派遣労働者に係る事項については、派遣労働者の過半数代表者から意見聴取(努力義務)

③就業規則の作成・変更手続き・所轄労働基準監督署への届出

④労働者への周知

・各事業場の見やすい場所への備え付け

・全労働者への書面配布

・グループウェアなど社内WEBに記録し、いつでも確認できるようにする など

まとめ

派遣労働者と派遣労働者以外を雇用する事業所では、派遣労働者に係る部分については、努力義務として派遣労働者代表からの意見聴取が必要となります。就業規則の作成・変更について、従前に比べて1ステップ手続きが必要となりますので、余裕をもった変更手続きを行う必要があります。また努力義務とはいえ、新たな就業規則や変更となる就業規則が、制定・改定後からスムーズに運用できるようにすることを考えれば、意見聴取を行ったほうが良いものと思われます。

就業規則の活用の仕方ひとつで、会社の単なるルールブックから、従業員のモチベーションアップから生産性の向上まで戦略的に活用することも可能となります。