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2019年4月から年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対して、5日以上の取得が義務化されました。この10日以上ですが、「私はパートだから関係ない」とか、思われている方、いらっしゃいませんか?自分の有給休暇が何日ついて、何日残っているのか、知らない人がかなりいらっしゃるんではないかと思います。

そもそも年次有給休暇とは

労働基準法第39条第1項では、雇入れの日から起算して6ヶ月以上継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続または分割した10労働日の年次有給休暇を与えなければならない旨が規定されています。ここでいう「全労働日」とは、6ヶ月または1年の暦日数(365日または366日)から所定の休日を除いた日数をいい、その8割以上を出勤することが年休付与の要件となっています。出勤日数の計算に当たり、注意しなければならないのは、労基法第39条第7項の規定により、業務上の負傷・疾病による療養のための休業期間、労基法第65条に基づく産前産後の休業期間、育児介護休業法第2条第1項に基づく、育児休業の期間または同条第2号に基づく介護休業の機関については出勤したものとみなして計算しなければならないことです。なお、年次有給休暇を取得した期間も出勤したものとして取り扱う必要があります。

年次有給休暇の比例付与

比例付与というのは、通常の労働者に比べ所定労働日数が相当程度少ない者にその所定労働日数に応じた日数の年次有給休暇を与えるものです。

①週の所定労働日数が4日以下の者

②週以外の期間で所定労働日数が定められている場合には、1年間の所定労働日数が216日以下の者

③上記①または②に該当し、週の所定労働時間が30時間未満の者

この要件で働く人が比例付与の対象となります。したがって週4日勤務の人であっても1日の所定労働時間が8時間であれば、週32時間となり、比例付与の対象ではなく、通常どおりの年次有給休暇の付与となります。

比例付与日数

この表のように週の所定労働日数または年間の所定労働日数でそれぞれ付与される日数が決まっています。

週1日のアルバイトであっても6ヶ月継続して勤務すれば、1日の年次有給休暇が付与されます。アルバイトだと有休がないと思っている方も多くいると思いますが、実際には、アルバイトでも継続勤務することで年次有給休暇があります。

この付与日数については、6ヶ月勤務した場合、通常であれば10日付与されますが、週所定労働日数が4日の人の場合は、【10日×4日÷5.2=7.69・・・】となり、端数を切り捨てますので、7日の付与となります。つまり、通常の労働者に付与される日数に週所定労働日数を掛け、【5.2】で割り戻し、端数を切り捨てた数字がそれぞれの付与日数となります。

年次有給休暇の5日以上取得義務化は?

2019年4月からの働き方改革関連法の一つ、年次有給休暇の5日の取得義務化ですが、これは年次有給休暇が10日以上付与される労働者には、1年以内に5日以上の年次有給休暇の取得させる義務を使用者側に課したものです。この規定において、比例付与の対象者も含まれています。つまり、正社員のみでなく、上記の表にある黄色で色がついているパートタイマーも対象となります。

 週4日の勤務日数で3年6か月(出勤率8割以上)で10日になりますので、年5日以上年次有給休暇を取得させる必要があります。また、週3日の勤務で5年6か月継続勤務したパートタイマーも同様に対象となります。

 ここで年10日の年次有給休暇とは、その年度に付与される日数のことであり、繰り越し分を含めて10日となるいう労働者は対象となりません。つまり、週2日以下の勤務日数の場合は、何年継続して勤務したとしてもこの規定の対象とはなりません。ただし年次有給休暇の趣旨やこの度の働き方改革関連法の趣旨から考えると、取得できるような社内体制や風土を構築することが望ましいことは言うまでもありません。

年次有給休暇の賃金

年次有給休暇を取得した日に支払われる賃金については、労基法第39条第6項によって定められています。

①所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

②平均賃金

③健康保険法第99条で定める標準報酬日額(労使協定が必要)

これらのうち、いずれの方法によって支払うかについては、就業規則その他において明確に規定することが必要であり、かつ、その選択がなされた場合には必ず、その選択された方法によって支払わなければならず、その都度、支払いの方法を選択するという取り扱いは認められません。

パートタイマーの所定労働時間が変更となった場合の賃金

例えば、所定労働時間が4時間から6時間に変更された場合、1日4時間勤務の時に発生した年休については、4時間分の賃金を支払えば足りるのでしょうか?

この場合、労働契約の変更により、6時間勤務となった場合の年次有給休暇取得日における契約内容によって支払われるべきであり、年次有給休暇の算定時点における契約内容によることにはなりません。したがって、1日4時間勤務の時に発生した年次有給休暇を1日6時間勤務になった後に取得した場合は、4時間分の賃金ではなく、6時間分の賃金を支払う必要があります。

まとめ

2019年4月からの年次有給休暇の5日取得義務化ですが、通常の労働者、正社員のみではなく、パートタイマーであっても適用されます。週4日の所定労働日数ですと3年6ヶ月で10日の付与となりますので、5日の取得が義務化されます。年次有給休暇管理簿等を備え付け、適正に管理する必要があります。また、計画付与制度を就業規則に定め労使協定の締結により、計画的に付与していくことも対応の一つとして検討する必要があります。


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2020年9月13日 6:47 AM