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 年に何回か、賞与を支給している会社も多いと思います。正社員には、2ヶ月分や3ヶ月分といった賞与を支給している会社もあると思われますが、一方で、パートタイム・有期契約社員に対しては、一律でいくらといった支給の仕方でまた、支給する水準も正社員に比べて低い傾向にあると思われます。このような賞与について、正社員と同様の額を支給しなければならないでしょうか?

判断基準-ガイドライン

 厚生労働省のガイドラインは次のように示されています。

 賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。また、貢献に一定の相違がある場合においては、その相違に応じた賞与を支給しなければならない。

 つまり、会社業績への貢献が正社員と同じであれば、パートタイム・有期契約社員のに対しても同じ賞与を支給しなければなりません。賞与の支給額の基準がどのようになされているかにより、業績への貢献が占める割合や、貢献度の評価など、個別に判断する必要があります。

賞与の趣旨

 一般的な就業規則の賞与の規定例では、「賞与は、会社の業績及び個人の業績等を勘案して支給することがある」というように規定されていることが多いと思われます。

つまりこのような規定例から考えると、賞与は会社業績の社員への利益分配と考えられます。多くの企業において業績連動を導入しており、会社の業績と個人の成果を賞与額の決定の要素にし、賞与額に反映されています。

業績への貢献度は?

 正社員とパートタイム・有期契約社員との間に、業績への貢献にどのような相違があるかは、均衡待遇を判断する上において、重要です。

この貢献の相違で重要になるのが、職務の内容です。

一般に正社員は、高度な専門性が要求される判断業務を中心に行っていますが、パートタイム・有期契約社員には、比較的容易な定型業務が中心に行われている場合が多く、職務の内容だけではなく、その職務の内容の変更の範囲の相違が、業績貢献への相違に関連すると判断されます。

 また責任の程度については、一般的に正社員は業務遂行について結果責任、利益や予算管理の責任などが課されています。それらの責任を果たすことが人事評価などを通して、賞与や昇給昇格へもつながります。

一方で、パートタイム・有期契約社員には、定型業務が中心であるため、責任の程度は比較的軽く、予算管理や利益達成の責任などは課されることが少ないのが一般的です。

したがって、正社員とパートタイム・有期契約社員の間には、考慮すべき責任の程度に差があり、それが均衡待遇の判断に反映されます。

まとめ

 職務内容が異なり、責任の程度にも差があり、さらには職務の内容の変更の範囲等や人材活用の範囲に違いがある場合、賞与に差があることは不合理ではないと判断されます。

 つまり、業務内容が正社員のような高度性は求められず、責任の程度も軽く、人事異動や転勤などの人材活用も限定され、職務内容や責任の程度に差がある場合は、会社へんも貢献が異なってくると考えられます。したがって、賞与額に差が生じた場合にも、不合理ではないと判断されます。