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厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルスに関するQ&A」で、1年単位の変形労働時間制を導入している場合の変更・解約等について公表されました(令和2年3月11日版)

1年単位の変形労働時間制とは

労働基準法第32条の4において、労使協定において、1か月をこえ1年以内の一定期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えない定めをした場合には、1週間40時間・1日8時間の法定労働時間を超えて、特定された週において40時間を、また特定された日において8時間を超えて労働させることができる労働時間制です。

1年単位の変形労働時間制の要件は

1年単位の変形労働時間制を導入しようとする場合は、必ず事業場の労使協定が必要となります。

労使協定の内容は

・変形制の対象となる労働者の範囲

・1か月をこえ1年を超えない対象期間

・その起算日

・対象期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間をこえないように、対象期間中の労働日と各労働日の所定労働時間を定める必要があります。

・労使協定の有効期間

・所轄労働基準監督署への届け出

・常時10人以上の労働者を使用する使用者は、労使協定による定めに加えて、就業規則において、始業・終業時刻の記載をしなければなりません。

変形労働時間制の要件を満たした場合の時間外労働は

①8時間を超える所定労働時間を定めた日はその所定労働時間を、それ以外の日はは8時間を超えて労働された時間

②40時間を超える所定労働時間を定めた週はその所定労働時間を、それ以外の周波40時間を、超えて労働させた時間

③単位期間の総労働時間のうち、同期間の法定労働時間の総枠を超える労働時間

なお、労使協定の締結・届け出は労働基準法の要件を満たすのみですので、労働契約の内容とするためには、必ず就業規則又は労働協約に規定を設けることが必要です。

労使協定の変更は⁈

原則、労働基準法第32条の4の1年単位の変形労働時間制(以下「変形労働時 間制」といいます。)は、業務の繁閑に計画的に対応するための制度です。 このため、労使の合意があっても、対象期間の途中で、あらかじめ定めら れた労働日や労働時間を変更したり、労使協定を解約することはできません。

新型コロナウイルスの影響による場合は⁈

新型コロナウイルス感染症の影響により、発熱等の風邪の症状 が見られる職員等への休暇取得の要請や全国的なスポーツ・文化イベント 等の中止・延期・規模縮小等の要請がなされていることに伴い、新型コロ ナウイルス感染症対策を行う期間を対象期間に含む変形労働時間制を実施 している事業場で、当初の計画どおり変形労働時間制を実施することが著 しく困難となる場合も想定されます。

このため、そのような場合に限っては、特例的に、変形労働時間制の途 中での労働日や労働時間の変更や、労使協定の解約も可能と解されます。 (厚生労働省パンフレットより抜粋)

労使協定の変更・解約が可能な事業場

○ 特例として認められるものですので、対象となり得るのは次の①及び②に該 当する事業場です。

① 新型コロナウイルス感染症の対策を行う期間を対象期間に含む変形労働時間制を実施している事業場

② 新型コロナウイルス感染症の対策が求められることに伴い当初の計画どお り変形労働時間制を実施することが著しく困難になったため、以下のいずれ かの対応をする事業場(※)

① 新型コロナウイルス感染症の対策を行う期間における労働日数や労働時 間数を変えることなく、労働日や労働時間の配分を当初の計画から変更すること (例:当初の計画では土日を休日としていたが、3月は平日を休日にする、平 日の所定労働時間を減らし、その分、もともと出勤日である土曜日の労働時間 を増やす等)

② 新型コロナウイルス感染症の対策を行う期間における労働日数や総労働 時間を当初の計画から減少させること (例:3月の事業活動を減少させ、減少した労働分を夏以降に振り替える等)

③ 発熱等の風邪症状が見られる職員等の休暇取得やスポーツ、文化イベン ト等の中止、延期又は規模縮小等の対応等を補うため、新型コロナウイル ス感染症の対策を行う期間における労働日数や総労働時間を当初の計画か ら増加させること (例:新型コロナウイルス感染症対策を行うための事業活動の減少を補うため、 その他の地域の事業場で、夏以降に予定していた労働分を3月に振り替える 等)

④ 上記①から③以外の場合であって、新型コロナウイルス感染症対策の実 施の影響により、新型コロナウイルス感染症の対策を行う期間以外の期間 における労働日数や総労働時間等を当初の計画から変更すること (例:新型コロナウイルス感染症による事業活動の縮小の影響が6月以降に出 るため、3月頃の労働時間等は変更せず、8月以降の労働時間等を変更する等)

異常の要件に該当する事業場で労使協定の変更・解約するにあたっては、所轄労働基準監督署に書面を届け出る必要があります。

また労使協定を解約し、 新たに労使協定を締結する場合は、労使協定に、再度、新 型コロナウイルス感染症対策のために協定を解約する際の清算に関する規定を盛 り込むとともに、就業規則等を変更する必要があります。

詳しくは厚生労働省・都道府県労働局のパンフレットをご覧ください。

「 新型コロナウイルス感染症対策に伴う 変形労働時間制の労使協定の変更、解約について 」