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 「同一労働同一賃金」という言葉から、同じ職務であれば、同じ賃金を支払わなければならないのか、という質問をよく耳にします。

 この「同一労働」という、同じ労働か否かの判断はどのようになされるでしょうか。

「同一労働」の考え方

 正社員と比べて、①職務の内容、②人材活用の仕組みや運用が同じパートタイム・有期契約社員は、就業の実態が同じと判断されます。

「同一労働」に該当するかどうかについては、営業職や事務職であるといった同じ職種であれば同一労働というわけではありません。職種が同じであっても、仕事の難易度、専門性の幅、責任の程度、転勤の有無、配置換え・職務の内容の変更の有無などの労働価値に合理的な違いがあれば「同一労働」ではないということになります。

判断基準

 改正前のパートタイム労働法第9条では次のように定められています。

 事業主は、職務の内容が当該事業所の雇用される通常の労働者と同一の短時間労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものについては、短時間労働者であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならない。

また平成19年10月1日の厚生労働省の通達では、

 職務内容の同一性については、個々の作業まで完全に一致していることを求めるのではなく、中核的業務を抽出して実質的に判断すること、人事異動等の有無・範囲の同一性についても完全な一致ではなく、実質的な同一性を客観的な事情・実態を考慮して判断すること

このように改正前のパートタイム労働法では、①職務の内容(業務の内容と責任の程度)、②人材活用の仕組みや運用など(人事異動などの有無及び範囲)を正社員と比較しています。

パートタイム・有期雇用労働法9条

 パートタイム・有期雇用労働法9条では、「差別的取扱いの禁止」として次のように定められました。

「事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない」

 つまり改正前と比べ、有期雇用労働者が追加され、また基本給、賞与といった具体的な項目が追加されました。したがって、労働の同一性の考え方や解釈については、改正後においても改正前と同様となるものと考えられます。