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小規模事業者持続化補助金のコロナ特例型の今年度の最終受付が12月10日となっています。申請をお考えの事業主の方も多いかと思います。

採択されるポイントを採択された事例をもとに検証・解説していきます。

1.自社の課題は何か?

これは、通常の小規模事業者持続化補助金でも言えることですが、「自社の課題」は何でしょう?

補助金を活用して設備導入を行う場合、まず頭に思い浮かぶのは、「この設備を導入したい」ということだと思います。

多くの補助金の場合、単なる設備の更新は、認められないことが多いです。

「現状にない設備」「現状の設備では、こういうことができない」などの設備投資に対して補助されます。そのため、その設備等を導入すれば、自社のどのような課題が解決するのか、検討する必要があります。

2.どのような課題があるのか?

会社は、売上があり、経費があり、そして「売上から経費を差し引いたもの」が「利益」として残ります。

その利益を内部留保として蓄える、再投資を行う、分配を行うことで会社が継続していきます。

自社の課題が「売上が確保できない」のか、「経費を圧縮して利益を確保したい」のか検討する必要があります。

仮に、売上確保や売上の拡大が課題であれば、広報・販促や新商品開発、新規エリアへの進出等が考えられます。

また利益を確保して事業継続を図りたいということであれば、生産性を向上させるために投資が必要となってきます。

単に、「この設備を導入したい」ということではなく、自社のどのような課題をクリアするために補助金を活用して設備投資を行うのか。

これを前提として、補助金の事業計画書を作成していく必要があります。

3.自社の現状把握

自社が現在どのような状況にあるのか、把握して記載する必要があります。

ポイントとしては、「地域における同業他社状況」「客層・客数」「来店型なのか、訪問型なのか」「お客様の購買ルート」「自社の事業構成比」「自社の得意分野と苦手分野」などの状況を整理して記載します。

この現状把握ができていないと、単に売り上げを拡大したいからといってチラシを作成するといっても、どの地域にどれくらいのチラシを配布するのか、どのような客層にアピールしたいのか、どの年齢層に遡及したいのか、ひいては、男性客か女性客を呼び込みたいのか、分からず、補助金を投下しても無意味となってしまいます。

販路拡大であれば、中小企業では、資金的・人的に資源が限られていますので、現状把握から、ポイントを絞って、資金と人を効率的に投資していく必要があります。

4.専門用語はなるべく使わない

自分や自社の業界では通じる専門用語があります。また設備についても同様に同業者であれば、分かるという設備があります。

しかし、審査する側は、あなたの業界に通じている人ばかりではありません。

審査も膨大な数を審査することになりますので、分かりやすい言葉を用いる方が、審査する側にも伝わりやすいと思います。

専門用語を使う場合は、注釈をつけることや、設備等について、写真など画像を付けることをおススメします。

5.補助金を投下するに見合った事業か?

多くの補助金では、補助事業を通じて得られる、売り上げなどの事業計画を作成することになります。

自社の現状の売上や利益に対して、補助金を活用して設備導入等を行った場合に、得られる売上や利益、客数などが投資に対して、効果が見込めない(売上が上がらない)ということであれば、補助金を投下する必要がないと、審査する側に判断される可能性があります。

また極端に売り上げが拡大する計画(飛躍的に売上が増加するような事業もあるとは思いますが)では逆に数字に信ぴょう性が問われる可能性があります。

前提が小規模事業者を前提としていますので、やはり現実的な数字で計画を立てるべきです。

その際、「3」でも記載しましたが、現状把握が必要となります。

現在の「客数」「平均単価」「男女比」「地域」「売れている商品」などを把握しておく必要があります。これは、補助金のことに限らず、会社経営を行う上で重要なことかと思います。

経営者の感覚として、大まかにでもこれらが把握できていれば問題ないと思いますが、補助金申請に当たり、一度、これらを把握されることをおススメします。

6.課題に対しての答えになっているか?

コロナ特例対応型の場合の事業計画書は、5ページと枚数制限があります。また通常の小規模事業持続化補助金においても、記載すべき「項目」が決められています。

まずは決められた項目(問い)に対して、きちんとした「答え」を記載する必要があります。

この「問い」に対して、まったく的外れなことを記載すると、正しいことを記載しているようでも、採択は難しいです。

野球で例えるなら、ヒット性の当たりを打って三塁側に走るような状況です。つまり、アウトです。

「問いに対して、問いに答える」、審査する側は何が知りたいのか、それを記載する必要があります。

次に、事業計画書もコロナ型・通常型どちらにしてもストーリーになっています。

起承転結で、自社はどういう会社で、どのようなことを行っており、この度の新型コロナの影響をこのように受けて、現状このような状態にある、それに対して、補助事業でこういうことを行う、そうすることによってこのような状態になる、ということを記載します。

つまり、現状の課題(コロナ特例であればコロナによる影響による現状課題)に対して、こういった設備投資(補助事業)を行う、そうすることによって販路拡大や生産性向上が図られ、結果、これくらいの「売上」「利益」「客数」等の確保が見込まれるということを記載します。

結局は、事業計画を作成する前に、自社の現状把握を行う必要があります。逆にそれさえできてしまえば、事業計画の作成は、すぐに終わるはずです。

7.当センター支援での採択事例

★飲食店のテイクアウト事業:WEBサイトへのECサイトの組み込み

★美容院でのお客様との接触時間の短縮:設備導入

★飲食店のデリバリーサービスの新規事業化:チラシ、店内改装、看板

通常の小規模事業持続化補助金については、その他多数事例があります。

今回の採択、不採択となった例を見ますと、コロナ特例型の要件には当てはまらなかったケースは不採択となっています。

今回のコロナ特例型では、 ①サプライチェーンの毀損への対応、②非対面型ビジネスモデルへの転換、③テレワーク環境の整備が対象となっています。

非対面ビジネスというと、分かりづらいですが、オンラインでの販売や、店舗内での接触時間の短縮などが挙げられます。

行おうとしている補助事業が、これに該当するかどうか、該当しないのでは、次回、令和3年2月の通常型を申請されることもおススメします。